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2012-01-28

「法華壽量品に明す所の釈迦の内面此弥陀無量光壽に外ならず。・・・」(弁栄聖者『ミオヤの光 光明の巻』)

「法華壽量品に明す所の釈迦の内面此弥陀無量光壽に外ならず。
名に迷ふて真理を失うなかれ。
若し此の理に於て疑ふ如き妄信者は論ずるに足らざるのみ。
又大乗非仏説の如きは今の所論にあらず。」
(弁栄聖者『ミオヤの光 光明の巻』)



『法華経如来壽量品第十六』は、『法華経』の中でも最も重要といわれています。

ここにも、弁栄聖者の仏身論の独自性がうかがえます。

弁栄聖者を論述した書としては、
田中木叉著『日本の光』
〇藤堂恭俊著『弁栄聖者』
紀野一義著『名僧列伝(四)一遍・蓮如・元政・辨榮聖者』
脇本平也、河波昌共著 『浄土仏教の思想 14-清沢満之・山崎弁栄』
数学者岡潔著「科学と仏教」」「辨榮上人伝」(『一葉舟』所収)等

などがありますが、
現在のところ、品切れ、絶版など、遺憾ながら手に入りにくい状況があります。

この書の中では、紀野一義氏の書が弁栄聖者の信奉者のものではなく、
聖者の御遺稿の中でも難解の書とされる『無辺光』を中心に、
紀野氏の理解に基づき論述されています。

その中で目に留まった箇所は、

「辨榮聖者の信心は、一から十まで法華経に基づいておるのですよ」

との弁栄聖者の信奉者でもある山本空外上人の言葉です。

空外上人は、ご自身念仏行者でしかも大学者でありました。

空外上人ご在世中に、この点の真意をお尋ねすることができなかったのですが、
この発言は、慎重に受け止めなければならないと思います。

しかし、とても刺激的な発言であるとも私には思われました。

と言いますのも、弁栄教学を研究していくと、
『法華経』のありがたさが、実によく分かってくるという実感があるのです。

まず、弁栄聖者の仏身論。

聖者は、阿弥陀仏(無量寿無量光仏)を、無始無終の三身即一の「大ミオヤ」と捉えておられます。

日蓮宗の僧侶に「弁栄上人の御教えは、日蓮宗の教えとよく合うのでいっそ改宗してはいかがか。」
といわれ、弁栄聖者は、にこにこ微笑まれていたという興味深い逸話も伝えられています。

また、「大ミオヤ」という表現は、

「一切衆生は 皆 これ吾が子なり」(『法華経 譬喩品 第三』)

とぴったりときます。

弁栄聖者は、弥陀の本願の深意を、

「南無智慧光佛
 
 如来智慧の光明に  我等が無明は照らされて
 佛の智見を開示して 如来の真理悟入(まことさとら)るれ」
(弁栄聖者『如来光明礼拝儀』)


衆生に「仏智見を開示悟入」せしめ、
大ミオヤのお世嗣ぎとなさしめんとするところにあると。

『法華経 方便品 第二』の精神そのものです。

さらに、注目すべき事実は、

弁栄聖者作の『如来光明礼拝儀』は終生にわたり改変がなされたといわれていますが、

『如来光明礼拝儀』は、
浄土教系の聖典とされる『無量寿経』の「如来光明歎徳章」を中心に作成されていますが、
初期の『礼拝儀』には、『法華経壽量品』が並説されていたといいます。
脇本平也、河波昌共著 『浄土仏教の思想 14-清沢満之・山崎弁栄』河波昌著『如来光明主義礼拝儀講座』

また、侍者を顧て、突然、弁栄聖者が、

「『無量寿経』にも迹門と本門があります。「歎徳章」のところが本門です。」

と『日本の光』に掲載されていますが、明らかに『法華経』を意識されたご発言です。

侍者とは、『日本の光』作成者の聖者の高弟の一人田中木叉上人。


ただし、弁栄教学と『法華経』との類似点は、

空外上人が言われるように、
聖者の光明体系が『法華経』に基づいて体系づけられているというものではなく、

弁栄聖者の深々なる自内証のうちから体系づけられており、
最重要の大乗経典の一つである『法華経』の世界とも、
期せずして(あるいは必然的に)合致していた、
という理解の方が真相に近い気がしています。

聖者は、いわゆる「大乗非仏説」についても明確な見解をお持ちでした。

「飲んで効く薬ならば何でもよい。自分も大乗非仏説と思う」

「大乗経典とは、三昧定中における大乗仏陀釈尊による直説法である」


と。


諸説あるようですが、
『法華経』、『無量寿経』とも釈尊没後五~六百年後の成立といわれています。


なお、弁栄教学と『法華経』との関係については、
「仏本尊」と「法本尊」の関係を論じないと十分ではないですが、
今後のテーマとしたいと思います。(参考『弁栄聖者光明体系 無量光寿』)


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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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