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2016-04-10

岡潔著『一葉舟』(角川ソフィア文庫)に描かれた「弁栄聖者観」


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科学と仏教
教育を語る
片 雲
梅日和
弁栄上人伝
人という不思議な生物
一葉舟
ラテン文化とともに
あとがき
解説 岡潔と仏教の叡智――若松英輔



若松英輔氏は、
いみじくも、、岡潔博士と山崎弁栄聖者との邂逅の意義を強調されています。

岡潔博士の悲願、
しばらく入手困難であった弁栄聖者著『無辺光』が再刊されたのは、
1969年(昭和44年)、講談社からでした。

その序文で、岡博士は「無差別智」について詳述されています。

伝統的に浄土門では、救済的側面に焦点をあててきましたが、
弁栄聖者は、智慧門も豊かに展開されました。

数学者としての岡潔博士が弁栄聖者を崇拝された大きな理由の一つが、
聖者の豊かな智慧門の展開である「四大智慧」の世界でありました。
特に、自然界の法則の根底を説かれた「法身の四大智慧」

しかし、残念ながら、講談社版の『無辺光』は、入手困難です。

幸い、再刊された岡潔著『一葉舟』(角川ソフィア文庫)のうち、
特に、「科学と仏教」と「弁栄上人伝」には、
岡潔博士の宗教観の特徴が顕著に描かれています。


岡潔著『風蘭』(角川ソフィア文庫)には、
杉田善孝上人による「無差別智の世界」が解説されています。

また、佐々木有一著『近代の念仏聖者 山崎弁栄』には、
『無辺光』「四大智慧」の数多くの引用と、
岡潔博士の著作によって弁栄聖者に導かれた佐々木氏による解説がなされ、
弁栄教学を学ぶ教材、参考書としても有益かと思われます。


『一葉舟』には、岡潔博士の境涯が率直に記されており、
特に宗教体験の記述には、理解困難な箇所があるかもしれません。

例えば、岡潔博士の道元禅師著『正法眼蔵』の理解過程
弁栄聖者の「三身四智の仏眼」の発露に依る奇蹟など。


岡潔博士が弁栄聖者を尊崇されたもう一つの大きな理由は、
弁栄聖者の「私心のなさ」であったと思われます。

「一葉舟」の項目には、
弁栄聖者の知、情、意、
つまり、人類向上の在り方(方向性)として、

「知」は、顕現し(働きを表して来る)、
「情」は、浄化し(自他弁別本能の濁りがとれること)、
「意志」は、霊化する(生きようとする盲目的意志が常に善の方向を示すようになること)。

このうち根本的なものは「意志霊化」であって、
これには恐ろしくながい時間がかかるのである。


岡潔博士は、晩年、「人間性の研究」に没頭されましたが、
「無明」の本質を「自他弁別本能」にあり、
人類の向上の方向性を、甚だしく困難な「意志霊化」である、
喝破されました。


「如来はいつもましますけれど衆生は知らない。
それを知らせにきたのが弁栄である。」

(田中木叉著『日本の光(弁栄上人伝)』)      


「弁栄は、近代日本屈指の仏教哲学者である
と同時に透徹した如来の教えの布教者でもあった。
彼の生涯は、仏の叡知とそれを渇望する民衆のために注ぎ込まれた。」
(解説 岡潔と仏教の叡智 ― 若松英輔)



人類にとって最重要な書として、
岡潔博士が特に奨めておられたのが、
弁栄聖者著『無辺光』 と田中木叉著『日本の光(弁栄上人伝)』でした。
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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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