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2013-02-11

「白隠展」(~2013年2月24日 渋谷・東横本店横 Bunkamura ザ・ミュージアム)を観て

道元禅師は、知っていても、
白隠慧鶴(1685~1768)については、
名前程度しか知らない方もいらっしゃるかと思います。

現在日本の臨済禅は、全て白隠禅師に源流があり、
五百年に一人の傑僧であるとさえいわれています。

今回の「白隠展」(~2013年2月24日 渋谷・東横本店横 Bunkamura ザ・ミュージアム)は、
大変充実した内容で、とても貴重な機会。

かくいう私も、白隠禅師について、詳しくは存じあげないのですが、
とても気になる禅僧の一人です。

臨済禅では、「直指人心 見性成仏」を悟りとし、
その実現を目指します。


笹本戒浄上人は、禅にも縁の深い方であったためでしょうか、

『笹本戒浄上人全集 中巻』の「晩年の白隠禅師」の項に、

白隠禅師及び禅についての大変重要なご法話が残っています。

「白隠禅師は、自ら法眼が開けて如来様を拝まれました。
それで、白隠禅師は、晩年は一心に念仏なさいました。
白隠禅師のようになるお方は極めて稀で、
宗教的天才に限ります。」


笹本戒浄上人は、

「(弁栄聖者の真精神である憶念口称)念仏のみが、成仏への直線道である。」

と強調なさいましたが、
それは、決して、排他的、光明主義念仏の強制、強要ではなく、
実に、戒浄上人のお慈悲の発露だったことは、
次のお言葉から推察されます。

「さらに進んで仏眼を得るお方は実に稀であります。
禅宗の大部分のお方は信念を変更する所まで行かないうちに、
この世を去って行きます。
このように信念を正しく変更することは極めて困難であります。」


「如来様は、本来無相無色に在ますと同時に本来人格的の御相好在ます。」

この如来様の真に正しい認識は、
仏眼においてこそ、可能となるからです。

ある時、光明会の信者が田中木叉上人に質問なさいました。

(信者)「禅では慧眼、(従来の)浄土門では法眼、
どう考えたらよろしいのでしょうか?」

(木叉上人)「はい、まだ「即」となっていないのですね。」

慧眼・法眼が「即」の境涯こそ、仏眼の境涯であります。

この点について、学術的にも研究されておられるのが、河波昌氏であり、

氏によると、

「そもそも禅は、念仏の内から必然的に生じてきたものです。」

と、大変興味深い見解を示されています。

この点を学術的に詳しく研究したい方は、
二十世紀の初頭、敦煌において発見された、
「初期禅」を知るための必読文献、

『楞伽師資記』があるようです。


今回の「白隠展」を見ながら、興味深いことに気づきました。

白隠禅師の画かれる観音様のお冠は、空となっており、
弁栄聖者の画かれる観音様のお冠は、如来様が描かれています。

『般若心経』では、「観自在菩薩」であり、
『観音経』では、「観世音菩薩」だからでしょうか。

訳(者)の違いで、語源は同じのようです。

もう一点、これは今後の私の研究テーマでもありますが、

「南無不可思議光如来」

という大きな掛軸がありました。

浄土真宗ではよく知られた『正信偈』冒頭の、

「帰命無量寿如来、南無不可思議光」

との関係が、非常に気になりました。

玉城康四郎氏は、

晩年の達磨大師は、「仏を念じて」おられたと、
大変興味深い指摘をされています。

先ほど引用しました、笹本戒浄上人ご指摘の、

「白隠禅師は、自ずから法眼開け、
晩年は、念仏をされていた。」


との関係で、大変興味があるところです。

私は、現在のところ、これを実証する文献を発見できていないのですが、
まだ、時間がかかりそうで、
また、今回の貴重な「白隠展」の閉会時期が迫っており、
このような状態で、アップした次第です。

もし、この点に関する文献をご存じの方は、
是非お知らせください。
お願いいたします。

更に、
臨済禅を修された町田宗鳳氏は、
アメリカに留学し、博士論文は、「法然上人」に関してとのこと。

ちなみに、町田氏の「法然上人観」は、
弁栄聖者のそれ(例えば、 『宗祖の皮髄』 )と重なる所があり、
町田氏の動向には、個人的に注目しています。

また、忘れてはならないのは、
西田幾多郎の親友にして、禅の欧米への紹介者でもあった鈴木大拙

「妙好人」の紹介者であり、
晩年は、親鸞聖人の『教行信証』を英訳されていたとのこと。
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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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