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2012-04-07

「(舌に)その五妙感が開けますと何とも言えぬ味いがあります。」『佐々木為興上人遺文集 藤堂俊章編』


弁栄聖者の伝記は、田中木叉著『日本の光(弁栄上人伝)』が知られていますが、
『日本の光(弁栄上人伝)』に記されている以外にも、
大変ありがたい聖者の御説法が数多く残されています。

その一つが、
今回ご紹介する聖者の高弟の一人佐々木為興上人への御説法です。

為興上人は、聖者の晩年に出逢われ、聖者に随行をよくされたお方でした。

弁栄聖者には、特定のお住まいはなく、
生涯伝道されたこと、釈尊と同じでした。

東京の芝の多聞室には、聖者の室があり、
食事の世話もしていただけたとのことです。

ただし、食事は質素(大豆の煮たものばかり)で美味くなく、
しかも、毎日続く、というものでありました。

佐々木為興上人が、その食事に嫌気がさしていた時の聖者の御説法。

弁栄聖者「あなたはこのおかづおいしくありませんか」
為興上人「えゝその一寸」
弁栄聖者「あなたはまだ舌に五妙感が開けていませんねー。

     その五妙感が開けますと何とも言えぬ味いがあります。」
     
     又大豆ほど安くて滋養になるものはありません」

と仰せられたので、何とも返す言葉がなかった。(『佐々木為興上人遺文集 藤堂俊章編』)

このような時、私たちがとりうる道徳的あるいは思いやりの配慮とは、
美味くはなくても、不味そうな顔をせず、御礼を言うことくらいが、
せいぜいではないでしょうか。

この逸話が大変ありがたいのは、
聖者にとっては、
いわゆる「戒律」や「道徳」が、「自然な行為」となっておられることです。

念仏の功徳により、「五妙境界」が自ずと開かれ、
「道徳的行為」が自ずと行えること


が、弁栄聖者のご行為からうかがわれることです。

ちなみに、従来の浄土教系では、
「戒律」ということが全面的に説かれることはないですが、
明恵上人の批判とは逆に、
法然上人においても、念仏の功徳により、
自ずと「戒体発得」されておられました。

(注)『往生要集』には「五妙境界楽」として説かれ、お浄土における風光。
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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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