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2012-03-20

松岡正剛著『法然の編集力』~町田宗鳳氏へのありがたき縁として


大きな本屋に行って、改めて驚くのは、
法然上人と親鸞聖人に関する本の量の圧倒的な差です。
もちろん、法然上人に関する本の圧倒的少なさです。


書名と著者に魅かれ、松岡正剛著『法然の編集力』を手に取りました。

ぱらぱらと頁をめくっていた時、

「特別対談 松岡正剛×町田宗鳳 3・11と法然」の中の、

町田氏の言葉が目に留まりました。

お恥ずかしながら、
私はそれまで町田氏のことをよく存じ上げていませんでした。

しかし、町田氏の発言に、大変惹きつけられました。

この人は「単なる学者、法然研究者じゃない」と。

法然上人を論じる知識人にはあまり見られぬ視点、
しかも、法然理解に欠くべからざる観点をお持ちの方だと直観しました。

実は、大変申し訳ないことに、直ぐにはこの本を買わずに、
町田宗鳳著『法然対明恵 (講談社選書メチエ)』を早速購入し、読み始めました。

私の直観は正しかった。

この町田宗鳳氏という方は、
今までほとんど注目されてこなかった法然上人の核心に触れている、と。

「特別対談 松岡正剛×町田宗鳳 3・11と法然」で、
町田氏は注目すべき発言をしています。

以下、特に感銘を受けた発言を列挙します。

「宗教のあらゆる要素ー禅と念仏、仏教とキリスト教、
一神教と多神教ーも法然さんにはあると考えた。
この人ひとりを学んだら、
世界のあらゆる宗教のことを論じられると確信したのです。」


「とりわけ法然と関連性があると私が思っているのは、
空海の三密加持です。」


「現在の日本仏教は、浄土、禅、日蓮という系統が表に出ていますから、
やはりイメージを重視する系譜にはないのです。」


「法然の偉大さが語られるとき、
たいていは専修念仏とかイデオロギーのレベルの話になってしまいますが、
じつのところ私はそっちにはあまり関心がない。
彼のイマジネーションを論じることには大きな意義があると思いますよ。」


「彼(法然)には、学問的にやるだけのことはやった、
読書量においてはだれにも負けない、という自負がありました。
もうひとつ、法然は定善観を通じた自信をもっていた。・・・
法然さんは、他人には「この修行はやる必要がない」と言っているけど、
自分は死ぬまで続けている。
そのたびに自分の内面的な自信を塗り替え、活性化していたと思います。」


「念仏に新しい注釈を加えるとしたら、あれは身体行動なんです。」

以上の引用を読んだだけでも、
町田宗鳳氏の炯眼の鋭さ、確かさが感じられることと思います。

さらに若干付け加えるならば、

町田宗鳳著『法然対明恵 (講談社選書メチエ)』において、
法然上人が生涯貫き通された「戒律堅固の在り方」に、
鋭く正確な考察をされています。

また、町田宗鳳著『法然―世紀末の革命者』において、
法然上人の二面性を論じ、

「法然上人の説得力の秘密」を、
法然上人がご生前口外されなかった深い宗教体験(三昧発得)
から捉えています


ただ町田氏は、法然上人の極楽浄土の荘厳の宗教体験を、
「五官」という感覚表現をされていますが、
これは「五官」といっても肉眼の感覚ではなく、
出世間の三昧の眼である法眼、仏眼における「五官」であります、
蛇足ながら。(参考「成所作智の五眼」 『弁栄聖者光明体系 無辺光』

また、町田氏は、法然上人の宗教体験における「実在感」に触れていますが、
町田氏の法然観に深みと確かさを覚える極めて重要な観点です。

「親鸞も、若い時にこそ夢告をしばしば体験しているが、その後、
法然のように能動的想像力による神秘体験をもつことが少なかったのは、
一念の念仏でもよいとする親鸞の立場では、
称名念仏の身体性が十分に発揮されなかったことが考えられる。」


「念仏と持戒が完全一体化して、
彼(法然上人)の宗教生活の骨格をなしていた。」


この指摘も極めて重要であり、
町田氏が「単なる学者、法然研究者でない」と、私に確信させた指摘です。


私は町田宗鳳氏に出遭って間もないのですが、
町田氏に関して是非知りたいと思っている点があります。

それは、町田氏は弁栄聖者をご存じないのであろうか、
という点です。

町田氏の直観、指摘には、
弁栄聖者の宗教体験に直結するまたは共通する観点がある。


と私には思えて仕方ないからです。

なお、町田宗鳳ホームページはこちらです。
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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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