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2012-03-11

「回向について」~東日本大震災後1年を振り返り

今日、2012年3月11日で、あの未曾有の大震災から1年が経とうとしています。


今回の大震災には、阪神淡路大震災と異なる点があり、

何といっても、その規模と津波、
さらには、原発、放射能の問題。

こられの影響は予想外に大きく、
阪神淡路大震災時よりもはるかに広く深く、
人々の心のみか、生き方にまで、
広範囲に影響を及ぼしているように思われます。

阪神淡路大震災時には、「心のケア」に焦点があたりましたが、
今回の東日本大震災においては、
宗教性の次元つまり「魂の次元」にまで、
その影響が及んでいるようにも思われます。

自然の驚異的な破壊力になすすべがなく、
恐怖感、無力感を味わわされ、
無常観、畏怖の念をも生じたと思われます。

今回の大震災の議論において決定的に欠けている視点は、
「死者論」である。


とは、評論家若松英輔氏の一貫した視点であり、
近著『魂にふれる 大震災と、生きている死者』において、
真正面から論じられています。

とても考えさせられる本です。


今回の大震災は、私に「回向」という問題を突き付けました。

間接的な位置にいる私にとって、
被災者とその「死者」に対する関わりの在り方です。

「どうして、この私にこのような事態が?」
「どうして、この私が助かり、あの人は亡くなってしまったのか?」
「亡くなったあの人は、一体、今何処に?」
「これらの事態をどう受け入れたらいいのか?」

「縁」、いわゆる「運」というものとは、
また、それと神仏への祈りとの関係とは。。。


そんな時、ふと思い出したのが、
杉田善孝上人がご紹介して下さった、
新潟県柏崎極楽寺の故籠島咲子夫人の逸話。

弁栄聖者との霊的因縁が深く、
聖者ご遷化(1920年)後、仏眼を開かれた方。

その咲子夫人が、関東大震災の1923年9月1日の前日、
念仏三昧定中に如来様(霊応身)から啓示を受けられました。

「明日、関東で焦熱地獄が起こる、
その被害が少なくなるように、ご回向をしなさい。」


仏教で回向というが、それはお坊さんのお決まりの仕事で、
果たして効果があるのか?

この種の疑問を持たれている方も多いと思います。

結論を言えば、 「回向は届く」といいます。

「位牌を拝みますか。それはまちがっていましょう。
位牌を拝むのではなく、
位牌の霊を如来様にお救い下さいとお願いするのです。」
田中木叉著『日本の光(弁栄上人伝)』


(笹本戒浄上人)「私は別回向を致しません」。
(弁栄聖者)「それは矢張りなさった方が宜しうございます」。
『笹本戒浄上人全集3 無我と輪廻と回向』光明会本部聖堂出版


(注)総回向に対し、別回向とは、特定の対象者に対する回向のこと。


私たちの根底は如来法身であり、
不二平等でありますので、
他者との感応道交が起こりうる、
といわれています。

私たちは、亡くなった方に対し「仏さん」、
または、「成仏してください」、
と言ったり、祈ったりします。

実際はどうかといいますと、

「亡くなった方への回向により、
その方がその回向の功徳によって成仏することはないが、
その回向の功徳によってその回向を受けた者が、
成仏へと歩みやすくなるのである」

と言われており、この回向の解明は、とても腑に落ちます。

「回向」とは、生存者の死者への恩返し、
また、生存者のおつとめ、義務でもありましょう。

「絆」は、死によって終わることは決してない。

なお「回向」は、より事実を正確にいえば、

「生きている者への回向の方が、より効果的である」

と弁栄聖者はいわれています。

「一心十界」。

生きている者の方が、心がより可動的であるからだと思います。


現代人は、実生活において、この世の生への関心が強すぎ、
死後、死者と向き合う時が疎かになってはいないでしょうか?

今回の大震災を契機に、考え続けています。
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Author:syou_en
山崎弁栄(べんねい)聖者(1859~1920)に出遇って初めて、各宗派宗教で説かれている教義、宗教体験が、腑に落ちました。

比較宗教、比較思想に一貫して関心を持ち続けています。

宗教には関心はあるけど、特定の宗派に凝ることには躊躇する。
そういう方も結構いらっしゃるかと思います。

そのような方は是非、弁栄聖者にふれてみてください。


(注)ツイッター(@syou_en)もあります。

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